「心のデッサン」とは、絵を描くことは、万人に与えられた能力だという考え方に基づいています。
ところが残念なことに、自分は絵が下手で、描けない。自分とは無縁のものと思い込んでいる人々がたくさんいます。その原因には、学校教育もさることながら、絵を商品とみる社会の仕組みや自分の心をゆっくりと眺めていられない生活の煩雑さがあるのかもしれません。
日々の生活に価値を生み出さないものは、無駄なものと思ってしまうのです。
でもその考えは正しいのでしょうか。
この絵は、生涯絵など描いたことのなかった母が、逝く前の3年間に病院のベットの上で描いたものです。売れるはずもない社会的にほとんど無価値な絵かもしれませんが、母にとっては生きるということと等しい価値があったデッサンなのです。
病院のベットの上で、まったく無趣味の母は何もすることがないまま、まさに生きるしかばねのように座っていました。そんな母に、スケッチブックとマーカーを手渡して線を引くことを勧めたのです。
最初はとまどっていた母でしたが、やがて自分の意志で線を引くようになりました。ベットの上でトロンとした母の眼が線を引きている間はまるで子供のように生き生きと輝いているのを見て、私は「心のデッサン」を確信しました。
自分の命を意識して線を引く。
ただそれだけで心のデッサンは生まれます。そしてそれは誰のためでもない。自分が生きているあかしとして、この命を今この瞬間に生きている実感として現れる心の形なのです。
心のデッサンは、禅と同じ力を持っていると思っています。
是非一度心のデッサンをご自分で体験してみてはどうでしょう。
http://blog.goo.ne.jp/nositen10/c/abd283b55d85c7bc1e2cb1a188317b87
上のアドレスは、「心のデッサン無料公開授業」 のものです。
心のデッサンの考え方を実践形式で解説しています。ブログですので過去にさかのぼって順に